KITUGI -木継-

 

木は、一枚板の天板が貴重なように、大きなものにこそ価値があります。何ものにも変え難い時間という力によって生み出されるものだから、その集積が多いほどに価値は高まる。だから逆に木材をつなぎ合わせた集成材の価値は低い。

だけど、

「集成材は小さな木を活かすことだったり、人間による技術の結晶の上に成り立っていることだったりするんじゃないか?」

 

そう考えた時、

量産という効率化としての集成材ではなく、集成材にすることで生まれ、気づく素材の魅力があるなら、そこには新しい価値感が生まれるかもしれない。そんなことを思ったのです。

これから数百年単位の樹齢の大きな木は減り、小径木は増えてくる。そんな時代に小さな木を安物の木として扱わない。そういった価値観を大切にすることにもつながるんじゃないか?そんなことも思うのです。

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私にその可能性を教えてくれたのは古道具屋さんで見つけた古いスウェーデンの器でした。

 

その器は、小さな木の木目が、模様を描くように組み合わされ積層され出来上がっていました。木目を合わせ、模様が出来上がる様を楽しんで作る作者の表情が見えるような魅力があって、ただ重ね合わせただけの集成材ってわけでもなく、こだわりが詰まった寄木細工みたいな主張が強いものでもなく、とても素朴な素敵さがあったのです。

 

木の集成材を、金継ぎならぬ木継ぎととらえ、小さな木を継いだものと捉える。そこから作られた器が、時を超え場所を超え私にとってのスウェーデンの器のように、色んな人に受け継がれていけば幸せだなと思う。

小さな木を継ぎ、人が器を継ぎ、木の記憶を継いでいく。kitugiという名前で、そんな器を作っていこうと思います。

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本物の木の表面とは?

木目とは単なる模様ではありません。そこには木の繊維があり、水を運ぶ無数の管があります。その管によって反射される光が変わるからこそ、木の表面は見る角度によってキラキラと美しい表情を生み出すのです。それこそが、プリントされた図像とは違う、木目が持つ本物の表面なのです。

kitugiの器では、その木の木目を90度角度を変えてつないでいます。それこそが、単なる集成材とは違う、木の美しい表面に気づける工夫だと思うのです。角度を変えて組み合わせる、ただそれだけのことですが、集成材にする意味が生まれ、木の素材の魅力が際立ってくる。

その発見こそが、kitugiにとって1番大きな発見です。